「もう一回だけ」がやめられない! Switchで遊ぶ新作ACT『Absolum』は、死んで強くなり、組み合わせは無限大。『ドラゴンズクラウン』を彷彿とさせる濃厚な戦闘に、ローグライトの刺激が加わり、かつてないほどハマる体験を提供する。本作の魅力はどこにあるのか? 気になるグラフィックや協力プレイの感想も含め、その全容を明かす。
総合評価:★★★★☆(4.5/5)
■ おすすめユーザー
- 『ドラゴンズクラウン』や『ベア・ナックルIV』の深みのある戦闘が好きな方
- ローグライトの成長感と試行錯誤を楽しむ方
- 協力プレイで爽快なアクションを求めている方
■ ゲームの特徴
- ジャンル:ローグライトベルトスクロールアクション
- 開発元:Dotemu / Guard Crush Games / Supamonks
- プレイ人数:1~2人(ローカル/オンライン協力プレイ)
ゲームデザインの革新性:過去に学び、未来を創る
本作を一言で表すなら、「『ドラゴンズクラウン』の豊潤な戦術構築と、『Dead Cells』の中毒性の高いローグライトプログレッションを、『ベア・ナックルIV』級の洗練されたコンバットに融合させた作品」である。
開発陣は、過去の名作から単に要素を拝借するのではなく、そのエッセンスを完全に消化し、独自の進化を遂げさせている。特に秀逸なのは、永続成長要素(メタプログレッション)と、そのラン限りの強化アイテム(リチュアル・トリンケット)の相互作用だ。
プレイヤーは二重の成長を実感する。
- 長期的成長:死亡後も残る経験値による能力向上で、確実に先へ進めるようになる。
- 短期的戦術構築:そのランで得た強化アイテムの組み合わせにより、毎回異なる「ビルド」が成立する。
例えば「投げた石が分裂し、さらに炎属性を帯びる」といった具合に、アイテム効果が複合すると、プレイスタイルが一変する。この「ビルドの創発性」が、繰り返しプレイの原動力となる核心だ。
戦闘システム:熟練こそが最大の武器
アクションの骨子は、軽攻撃・重攻撃・ジャンプ・ダッシュ・必殺技(アーカナ)というオーソドックスな構成。しかし、そこに「クラッシュ」(弾き)や、ダッシュ回避の成功時による反撃などの高度なテクニックが層を成す。
この戦闘システムの真価は、「知識と慣れ」が非常に大きく報われる点にある。敵の攻撃パターンを学び、自身のキャラクターの癖を把握し、タイミングを合わせて「クラッシュ」を決められた時の快感は格別だ。これは、単純なキャラクターの強化以上の、プレイヤー自身の「成長」を感じさせる巧みな設計である。
協力プレイの魅力と唯一の不満点
ローカル、オンラインを問わず、協力プレイは非常にスムーズ。ロールバックネットコードの採用により、通信環境が良ければある程度の距離があっても快適に遊ぶことができる。
しかし、最大の謎かつ不満点が「プレイ人数が2人まで」という制限だ。 開発実績からも、技術的には4人プレイは可能であったと推測される。戦闘中にはNPCの傭兵も加わり、画面がカオスと化してもパフォーマンスは安定していることから、これはゲームバランスやデザイン上の意図的な選択と考えられる。『シュレッダー・リベンジ』のような大乱戦を期待するユーザーには、やや物足りなさを感じる部分だろう。
世界観と演出:長所と短所が明確な声の演技
ビジュアルは、ポップでコントラストの効いた漫画タッチ。画面がエフェクトと敵で溢れる混乱の中でも、アクションの視認性が損なわれないのは流石の設計である。Mick Gordonによるサウンドトラックは、叙情的な旋律からボス戦の緊迫した曲調までをシームレスに繋ぎ、冒険の臨場感を大いに高めている。
問題は声優演技の質感にある。 指摘されている通り、キャラクター間で演技の方向性やクオリティにばらつきが感じられる。世界観に没入しようとする姿勢と、やや現代的な語り口が混在しており、一部の台詞が浮いて聞こえる場面が確かにある。これは、作品の質全体から見れば minor な問題ではあるが、こだわりの強いプレイヤーにとっては気になる点かもしれない。
結論:新時代の「やり込みアクション」の金字塔
『Absolum』は、古典的なジャンルに新たな息吹を吹き込んだ、非常に完成度の高い作品である。
最初の数時間は、永続強化が十分でないため、難易度の壁と繰り返しに少し苦戦を強いられるかもしれない。しかし、システムを理解し、キャラクターを強化し、独自の強力なビルドを構築する喜びを一度知ってしまえば、その中毒性は計り知れない。
本作は、単なる「良いゲーム」ではなく、「ゲームデザインとは何か」を考えさせる、非常に知的な作品として評価すべきだろう。 ベルトスクロールACTとローグライトの融合というチャレンジが見事に成功し、このジャンルの新たな可能性を示した。熱心なゲームファンならば、ぜひその手でその価値を確かめてほしい。


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